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磁器散策 − JAL機内誌に掲載されました −
2017年6月1日(木)
JAL機内誌(SKYWARD)の撮影を3月の個展前にいたしておりましたが、
今日、伊万里観光協会さんより「6月号機内誌出来ました」と渡されました。
国内線・国際線の両方に掲載されています。JALにご搭乗なさるときは是非機内誌をご覧ください。
掲載の中に市川光山の紹介も出てきます。掲載ありがとうございました。
一部抜粋しましたのでご覧ください。
大阪の展覧会には、雑誌を持っていこうと思います。詳細は会場でご覧ください。
「鍋島焼現代の匠展」
期間:2017年6月8日(木)〜6月13日(火) 11-19時 (最終日13日は15時まで)
会場:芝田町画廊
住所:大阪府大阪市北区芝田2−9−19 イノイ第2ビル1F
電話:06-6372-0007
写真をクリックするとすこし大きくご覧いただけます
↑この見開きページの写真と左ページの文章を以下に抜粋
伊万里 −美の里、磁器の里−
大川内山には誇り高き陶工が集う
− 中略 −
「鍋島」制作の最高技術は、現代の伊万里焼に引き継がれている。
現在、大川内山にある窯元は30軒。坂道を上がり、その奥まった場所に窯を構える十九代 市川光山氏を訪ねた。
伊万里焼の伝統工芸士と1級技能士の資格3部門(ロクロ・下絵付・上絵付)すべてを取得している唯一の人物だ。
Tシャツにジーンズ姿の光山氏は、ロクロ作業をしていた。安易に声を掛けられる雰囲気ではない。ロクロの上では、円筒形をした花瓶状のものが回っている。ごく浅い褐色の土の素肌。氏の右腕は制作物の空洞部分深くに入れられ、左手の指は外側に当てられている。
内と外の両面の微妙な指の動きによって、シンプルな円筒は少しずつ形を変え、中央部分に膨らみを帯びてくる。要所要所では木べらを使い、形を整えていく。
時間にして20分ほどの無言の成形によって、まだ何の絵付けもされていない”すっぴん”の壷が、停められたロクロの上に凛々しくたった。そのさまを2メートルばかり離れた場所から息遣いも伝わらないように凝視していたこちらに向けて、光山氏は、今、初めて気がついたといった風情で「あ、いらっしゃい」と柔らかい声を発した。
「ロクロを回しているときはどの部分をみているのですか」という要領を得ない質問にも、氏は誠実な口調で、こう即答した。
「右目は壷の内側、左目は壷の外側。同時に見ています」
恐れ入った。通常の生活のなかで、こういった視認方法を取ることは皆無に等しいし、たぶんできない。
十九代。その年月の連なりこそ、大川内山の歴史物語。
写真説明
<右上>
大川内山は、観光客が大挙して行き交う時間帯と、ひっそりと静まり返り「視界の範囲で動いているものは猫だけ」というような得がたいタイミングがある。秘窯の里、雨上がりの某月某日。
<下>
十九代 市川光山作「色鍋島松竹梅文」松竹梅に、鶴と亀。縁起よきものが一堂に揃って描かれている。
<左上>
市川光山氏が作陶した品々は、大都市の百貨店やホテルなどで折々開かれる展覧会でも目にすることができる。
が、ここ大川内山の窯での作業中こそが、先祖代々の魂の継承を感じるとき。
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