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磁器散策 − へらを作る −

2013年5月14日(火)〜28日(火)
 主人と息子が注文下さった作品の生地造りのために使用する「へら」を作っています。
 「へら」は轆轤(ロクロ)で生地を作る時に使います。今回のへらは湯呑用です。

 1つの作品を作る時に通常2本の「へら」を使います。「押しへら」と「延べへら」です。
 「押しへら」は、作る作品に合わせてその都度作りますので数多くあります。
 「延べへら」は、20本くらいあります。
 同じへらを何年も使うこともありますし、1度しか使わないことも多いですね。




「延べへら」と「押しへら」と「とんぼ」のざっとした説明です。

【延べへら】
 外から手を充てて圧力をかけ、生地を薄く整形します。
 均一に圧力をかける事で薄くしても焼いた時にゆがむこ
 とがなくなります。

 ↑左:延べへら  ↑右:押しへら

【押しへら】
 押しへらと同じ形になるように中から生地を押して整形
 します。
 基本的に押しへらを使用する場合外から手を充てません
 押しへらを内径に充てるとぴったり合います。


【とんぼ】
 生地の大きさを測る道具で、径と深さを測るものさし
 です。

         真ん中↑:とんぼ

【画像の赤い部分】
「延べへら」で圧力をかけて赤い部分を成形。
 圧力をかけているので陶土がこの形を記憶します。

【画像の黒い部分】
「押しへら」でそっと黒い部分を成形。
 赤い部分の形を記憶したまま乾燥させて生地を作りま
 す。


 窯で焼成する時は、普通は重力で下に引っぱられる力で変形してしまいますが、
 「延べへら」で重力と反対方向に戻ろうとする力を記憶させているので、
 薄く作っても変形しないで焼成できるのです。


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