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磁器散策 − 窯たき −

2012年7月11日(水)〜16日(月)
 「窯たき」の風景をお便りします。


■7月11日(水)
 上の茶色の部分が青磁の釉薬のみかかった状態です。
下の部分は染付のみです。いわゆる「かけ分け」の技法です。
青磁釉薬には、天然青磁(てんねんせいじ)、薬青磁(くすりせいじ)とありますが、光山窯は天然青磁を使用しています。青磁の鉱石を使って釉薬を作ります。天然青磁の色です。


■7月12日(木)
 青磁、白磁の釉薬がかかって本窯前状態です。
白磁の釉薬を全体にかけます。写真で見ても分かるように青磁の釉薬の部分は盛り上がっています。
青磁鉱石の色はそれ自体濃くないので色を出すために青磁釉薬の部分は釉薬を2回かけます。
それだけ釉薬の厚みも出ますので、釉薬が溶けた時に染付の部分まで流れださないように調整します。
釉がけの時に微調整、焼成の時に温度の上がり具合を目で見ながら温度を微調整し窯たきを行います。


■7月13日(金)
 窯をたく時に温度が何度くらいあるのかを判断する材料として使用する「ゼーゲル」です。



3本立てているのはそれぞれ耐火温度が違うからです。
1280°1300°1320°になるとそれぞれのゼーゲルが傾いてどのくらいの温度に達しているのか教えてくれます


■7月14日(土)
 本窯焼成(約1300度)に入ります。
約900度以上になると白磁の釉薬も青磁の釉薬も溶けてガラス質になります。
白磁は透明ですが青磁の部分は青磁鉱石が持っている青い色に窯変します。


 覗き窓から温度を確認します
最近は温度センサーというものがあるようですが、うちの窯は先代の頃から使用している年代ものですのでセンサーは、ついていません。
 火の色をみるのに小窓からのぞいていますが、あまり近すぎて暑いを通り越し、 熱い・・・といった経験から自分で作った道具で覗いています。
火を見るのに暗くなってからのほうがいいのでもっぱら窯たきは夜です。
今は温度1,260°くらいです。

       ・・・・・窯たき終わりました。明日の夕方には窯出し出来ます。・・・・・


■7月15日(日)
ゼーゲルの倒れ具合で、どのくらいの温度が上がったのか分かります



       青磁染付輪繋文 五寸高台鉢               染付輪繋文 七寸皿

              焼成後の徳利と飯碗です。これから赤絵をつけます


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