磁器散策 − 新聞に掲載されました −
2025年8月31日(日)
8月29日 西日本新聞に「鍋島藩窯あかり夏祭り」実行委員長として新聞掲載されました。
一部抜粋しましたので、どうぞご覧ください。
地 域 の に ぎ わ い 糧 に 成 長
さいこう大川内山 鍋島焼350年
窯元「光山窯」後継者 市川浩光さん(35)
高級磁器「鍋島焼」の里にふさわしく、日頃は落ち着いた雰囲気漂う伊万里市の大川内山地区。夕暮れが深まるとともに、谷間にはにぎやかな歓声が響いた。
「年に一度だけの子どもたちに楽しんでもうらう一日。特に今年は想像以上の盛り上がりになった」
23日夜に開かれた「鍋島藩あかり夏祭り」で実行委員長を務めた市川浩光(35)は、浴衣やパジャマ姿で駆け回る子どもたちを満足そうに見守った。
昨年までは「ボシ灯ろうまつり」として7月に開いてきたが、「より多くの人が集まるように」と時期と名称を変更した。前年の約300人を多く上回る約500人が来場。午後7時、全員で会場に並んだ窯詰道具の「ボシ」約3千個の中に置いたろうそくに明かりをともしていった。
開窯350年の年。大川内山に集まる関心の高さを実感する。祭りの準備にも地元商工会議所青年部や大学生ら約50人が参加するなど、「市内外の地域や幅広い世代との交流が深まった」と手応えを口にする。
伝統的な鍋島焼を扱う窯元「光山窯」の後継者。父で窯主の十九代市川光山さん(64)は、卓越した技術で全国に名を知られる。
自身も九州産業大芸術学部で陶芸を学んだ後、全国の伝統工芸品を扱う東京・六本木のセレクトショップで約3年の実務経験を積んだ。28歳から本格的に父のそばで日々技を磨く。
6月には作品を個人銘でなく、「光山窯」の商品として扱うことを父に認められた。今後は職人としての技術を認定する国の伝統工芸士を、「ろくと成形」「上絵」「下絵」の全3部門で取得することを目指す。
「才能があれば職人として高みへの近道になるが、自分は人の3倍であろうと努力を重ねるタイプ。その覚悟はできている」
すでに400年へと始まっている長い道のり。職人として住人として、鍋島焼と地域の新たな価値を創り続ける、(糸山信)
*写真:窯詰道具の「ボシ」を手にする市川浩光さん。実行委員長を務めた「鍋島藩窯あかり夏祭り」は親子連れでにぎわった。
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